カトリック 英神父の説教集 ○キリスト教のおはなし○

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201115 堅信式 分かち合いを持っている人は更に与えられて豊かになる

英神父 ミサ説教 イグナチオ教会 於

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マタイによる福音書 25:14-30
(そのとき、イエスは弟子たちにこのたとえを語られた。)「天の国はまた次のようにたとえられる。ある人が旅行に出かけるとき、僕たちを呼んで、自分の財産を預けた。それぞれの力に応じて、一人には五タラントン、一人には二タラントン、もう一人には一タラントンを預けて旅に出かけた。
《早速、五タラントン預かった者は出て行き、それで商売をして、ほかに五タラントンをもうけた。同じように、二タラントン預かった者も、ほかに二タラントンをもうけた。しかし、一タラントン預かった者は、出て行って穴を掘り、主人の金を隠しておいた。》
さて、かなり日がたってから、僕たちの主人が帰って来て、彼らと清算を始めた。まず、五タラントン預かった者が進み出て、ほかの五タラントンを差し出して言った。『御主人様、五タラントンお預けになりましたが、御覧ください。ほかに五タラントンもうけました。』主人は言った。『忠実な良い僕だ。よくやった。お前は少しのものに忠実であったから、多くのものを管理させよう。主人と一緒に喜んでくれ。』
《次に、二タラントン預かった者も進み出て言った。『御主人様、二タラントンお預けになりましたが、御覧ください。ほかに二タラントンもうけました。』主人は言った。『忠実な良い僕だ。よくやった。お前は少しのものに忠実であったから、多くのものを管理させよう。主人と一緒に喜んでくれ。』ところで、一タラントン預かった者も進み出て言った。『御主人様、あなたは蒔かない所から刈り取り、散らさない所からかき集められる厳しい方だと知っていましたので、恐ろしくなり、出かけて行って、あなたのタラントンを地の中に隠しておきました。御覧ください。これがあなたのお金です。』主人は答えた。『怠け者の悪い僕だ。わたしが蒔かない所から刈り取り、散らさない所からかき集めることを知っていたのか。それなら、わたしの金を銀行に入れておくべきであった。そうしておけば、帰って来たとき、利息付きで返してもらえたのに。さあ、そのタラントンをこの男から取り上げて、十タラントン持っている者に与えよ。だれでも持っている人は更に与えられて豊かになるが、持っていない人は持っているものまでも取り上げられる。この役に立たない僕を外の暗闇に追い出せ。そこで泣きわめいて歯ぎしりするだろう。』」》

 今日の聖書の朗読は、有名なお話しなので、みなさんもご存知だと思います。タラントンの例え話です。タラントンというのは当時のお金の単位なんですけれども、一タラントン、二タラントン、五タラントンそれぞれ預けた。それで財産を預けて、それで商売をするようにということを命じたわけです。今のお金に換算すると六千万円です。五タラントンなら三億円。三億円を急にもらって商売しろといったらなかなか大変。六千万円でも、特に中学生ぐらいで急に六千万円もらって商売といってもなかなか難しい気がします。
これはお金の話しなんですけれども、本当に問うているところはお金の話しではないわけです。このタラントンはギリシャ語ですけれども、英語にも日本語にもなったわけです。タラントンからタレントという英語が能力とか才能とか、日本語だったらタレント、有名人ですか。全ての語源はタラントンから来ている。
結局五タラントンであろうと一タラントンであろうと、まさしくタレントを指しているわけだから、何を指しているかといったら明らかに、今日皆さんが受ける聖霊の賜物のお恵みの大きさだと思います。本当はプライスレスで計算が出来ない。みなさん一人ひとりが神様から聖霊の恵みとして与えられているお恵みというか才能というか、能力は六千万円から三億円くらいの恵みを一人ひとりもらっているということなんです。
もちろん今、全てが出てきているわけではない。中学生や高校生の方は、今勉強しているということは、まさしくタラントンを養っている時期といえるでしょう。結婚を控えている方々はそれをいかしていく。六千万円とか三億円をどういかしていくか。莫大なものをどうしていくのかはなかなか難しい。
でもこの中で二つのタイプが出てきて二タラントンの人、一億二千万円の人は倍にして、更に二億四千万円のダブルにしたわけです。五タラントンの人は三億円を更に六億円に、倍にしたという話です。その代わり一タラントンの人、六千万円の人は、象徴的ですけれども、恐ろしくなって隠していたというわけです。恵みというか宝を。
それがわたしたちにとって大きな誘惑かもしれない。持っているものをいかさないで、恐ろしさとか不安から、いかさないまま自分の中に隠したまま終わってしまうということを、イエス様は喜んでいないということです。
ではどうやっていただいているものを倍にするのか。これははっきりしていて、愛の法則というか幸せの法則というか、そういうものなんです。
わたしの知り合いで大学の先生をしいて、クリスチャンではないのに良いことを言われていて、彼が言うには、幸せは一人では幸せになれなくて、誰かと何かを分かち合うことによって、幸せになると言うんです。彼が言うんですけれども、幸せの法則はダブルハピネスの法則と言うんです。つまりダブルになって幸せというものがあると言うんです。
彼は学校の先生だから、たとえば授業の準備をして授業をする。もし学生が一生懸命聞いてくれたら、学生も幸せだし先生も幸せ。それがダブルだと言うんです。すると先生の方も気持ちが良くなるから、内申書をもっと良い点をあげようかなとか、思ったりするわけで、先生の方もよい授業をしてくれたら学生の方も更に勉強の意欲が湧いて、頑張ることが出来る。それがダブルハピネスだと言われるんです。
それが逆になると、生徒のほうが全然授業の話を聞かなかったならば、先生もやる気が無くなって、だんだん一生懸命授業しなくなる。生徒の方もだんだんもっとやる気が無くなって、良いものが生まれないわけです。考えたらわたしたちの幸せはダブルで来るようにできている。だから今日のお話は、お金がダブルに増えるということです。それは明らかでしょう。
今日は結婚される方もおられる。美味しいごはんを一人で食べるのはそれはそれで幸せでしょう。でも愛するパートナーと共にご飯を一緒に食べたら二人共楽しいんだから、幸せは明らかに倍になるんです。愛とか喜びというのはダブルで増えるから本当の喜び。だから倍なんです。三億円は六億円になるわけだし、たった百円だって二百円になるわけです。その恵みを活かすように、みなさんは今日、聖霊の恵みによって強められる。
だから聖霊の恵みを受けたからって、一人で喜んでいるということではなくて、受けた恵みをいかして、他の人を喜ばすことによって、倍になる喜びを味わえる。これが聖霊の恵みの素晴らしさだと思います。お金が少々増えたって、大した事ではない。それは嬉しいかもしれないけれど。でも、聖霊の恵みがいかされて、幸せがどんどん広がっていく。そこにわたしたちの本当の喜びと本当の恵みがある。
でも誘惑は何かと言ったら、一タラントンの人で、結局自分だけの世界にこもってしまう。みんな辛いことや嫌なこともあるでしょうが、時々は自分の殻に閉じこもってということになってしまうかもしれない。でも閉じこもれば閉じこもるほど、愛も喜びも増えないし、下手したら腐りはしないけれども、小さくなる可能性はあるわけです。それを心がけたいと思います。
別に商売しようとしているわけではなくて、日々の生活の中で自分の持っている恵みや喜びを、いつも周りの人に分かち合っていくことで、喜びや幸せがどんどん増えていく。そのような恵みをわたしたちは与えられている。それを心がけていきたいと思います。聖霊の恵みはそのために、みなさん一人ひとりに豊かに注がれるということです。
今またコロナの感染が、また気持ち的にはちょっと内にこもると言うか、防御的になります。実行再生算数、コロナに感染した人がうつす人数で、1を超えたら拡大で、1を下回ったらだんだん静まっていく。今は1をはるかに超えてるからどんどん広がっているわけです。
それを言うならコロナの方は1以下を目指して、なるべくうつらないようにしなければならないけれど、聖霊の恵みは絶対1以上にしなければならない。出来れば2になればいいわけですけれども、できれば1を超えるような働きで回りの人に分かち合っていくような、それを目指したいと思います。
聖霊の恵みはそのために与えられる。勉強している皆さんもそうだし、これから結婚する方だって、幸せの1ではなくて1.1とか1.2とか、出来れば2倍に夫婦の関わりの中で増やしていくことが出来たら素晴らしいと思います。その恵みを願って今日の堅信式にあずかりましょう。
自分が苦しい時も友達に助けられたりすることもあるわけでしょう。そのような恵みをしっかり受け止めて、恵みをタラントンを増やしていけるように、互いのために祈り合いたいと思います+

第一朗読  箴言 31:10-13、19-20、30-31
有能な妻を見いだすのは誰か。真珠よりはるかに貴い妻を。夫は心から彼女を信頼している。儲けに不足することはない。
彼女は生涯の日々 夫に幸いはもたらすが、災いはもたらさない。羊毛と亜麻を求め手ずから望みどおりのものに仕立てる。
手を糸車に伸べ、手のひらに錘をあやつる。貧しい人には手を開き、乏しい人に手を伸べる。
あでやかさは欺き、美しさは空しい。主を畏れる女こそ、たたえられる。彼女にその手の実りを報いよ。その業を町の城門でたたえよ。

第二朗読  テサロニケの信徒への手紙 一 5:1-6
兄弟たち、その時と時期についてあなたがたには書き記す必要はありません。盗人が夜やって来るように、主の日は来るということを、あなたがた自身よく知っているからです。人々が「無事だ。安全だ」と言っているそのやさきに、突然、破滅が襲うのです。ちょうど妊婦に産みの苦しみがやって来るのと同じで、決してそれから逃れられません。しかし、兄弟たち、あなたがたは暗闇の中にいるのではありません。ですから、主の日が、盗人のように突然あなたがたを襲うことはないのです。あなたがたはすべて光の子、昼の子だからです。わたしたちは、夜にも暗闇にも属していません。従って、ほかの人々のように眠っていないで、目を覚まし、身を慎んでいましょう十