カトリック 英神父の説教集 ○キリスト教のおはなし○

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211010 わたしの望みではなく 神の希望となりますように

 

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マルコによる福音書 10:17-30
(そのとき、)イエスが旅に出ようとされると、ある人が走り寄って、ひざまずいて尋ねた。「善い先生、永遠の命を受け継ぐには、何をすればよいでしょうか。」イエスは言われた。「なぜ、わたしを『善い』と言うのか。神おひとりのほかに、善い者はだれもいない。『殺すな、姦淫するな、盗むな、偽証するな、奪い取るな、父母を敬え』という掟をあなたは知っているはずだ。」すると彼は、「先生、そういうことはみな、子供の時から守ってきました」と言った。イエスは彼を見つめ、慈しんで言われた。「あなたに欠けているものが一つある。行って持っている物を売り払い、貧しい人々に施しなさい。そうすれば、天に富を積むことになる。それから、わたしに従いなさい。」その人はこの言葉に気を落とし、悲しみながら立ち去った。たくさんの財産を持っていたからである。
イエスは弟子たちを見回して言われた。「財産のある者が神の国に入るのは、なんと難しいことか。」弟子たちはこの言葉を聞いて驚いた。イエスは更に言葉を続けられた。「子たちよ、神の国に入るのは、なんと難しいことか。金持ちが神の国に入るよりも、らくだが針の穴を通る方がまだ易しい。」弟子たちはますます驚いて、「それでは、だれが救われるのだろうか」と互いに言った。イエスは彼らを見つめて言われた。「人間にできることではないが、神にはできる。神は何でもできるからだ。」
《ペトロがイエスに、「このとおり、わたしたちは何もかも捨ててあなたに従って参りました」と言いだした。イエスは言われた。「はっきり言っておく。わたしのためまた福音のために、家、兄弟、姉妹、母、父、子供、畑を捨てた者はだれでも、今この世で、迫害も受けるが、家、兄弟、姉妹、母、子供、畑も百倍受け、後の世では永遠の命を受ける。」》 

 今日は教会祭のインターナショナルミサなので、説教は四つの言語で行いたいと思います。私が四つするわけじゃないので、それぞれの言語の方が神父様も交代して四つの説教を極短く致します。私は日本語でいたします。今日の福音書では一人のお金持ちの人が、イエス様のところに来て「永遠の命を受け継ぐには」ということを言われて、でも「あなたに欠けているものが一つある」と言われてチャレンジをされるんですけれど、このチャレンジに応えることができなかったという。ちょっと残念なお話です。
今日の教会祭のミサと、この後のイベントのテーマは希望ということにしてあるんですけれども、どこに私たちが希望を見出すのか。そしてイグナチオ・ロヨラはどこで希望を見出したのかというとですね。チャレンジがあった時にこそ希望が生まれるんですね。チャレンジというより、行き詰った時に、彼は元々兵士で負傷して、兵士にもうなれないかもしれないというところから、一旦だめになったところからイエスに従う道が開かれる。そして彼は回心して巡礼者になるんですけれど、エルサレムに永住したいと思うんですけれど断られて、ヨーロッパに戻ってきた。そこで彼はもう出来なくなったから、今度は司祭になって勉強しようと思うんですね。実は勉強を始めるんだけれど色々トラブルがあって、一つのところでうまくいかないんで、結局色々あってパリでフランシスコ・ザビエルとか色々な人に会うんです。彼の人生をみていると、自分の望み通りになったことは一度もないんですよ。プランAは駄目なんです。彼の人生で成功したのはプラン B ばっかりなんですね。希望はどこにあるのか。行き詰まった時に、出来なくなった時に、そこからどうしようかと思う時に、希望というものが生まれるということです。
最近聞いた話では、イグナチオ・ロヨラはプランBの聖人だというんです。プランAは出来なくても、プランBにいつも希望を見出して、新たな展開があるということです。私たちも諦めずに、プランAがダメなことはよくあると思います。でもそこで諦めるんじゃなくて、プラン B は何なのか。そこに神様の新たな希望と、新たな導きを見出したですね歩んでいきたいと思います+

第一朗読  知恵の書 7:7-11
わたしは祈った。すると悟りが与えられ、願うと、知恵の霊が訪れた。
わたしは知恵を王笏や王座よりも尊び、知恵に比べれば、富も無に等しいと思った。
どんな宝石も知恵にまさるとは思わなかった。知恵の前では金も砂粒にすぎず、知恵と比べれば銀も泥に等しい。
わたしは健康や容姿の美しさ以上に知恵を愛し、光よりも知恵を選んだ。知恵の輝きは消えることがないからだ。
知恵と共にすべての善が、わたしを訪れた。知恵の手の中には量り難い富がある。

第二朗読  ヘブライ人への手紙 4:12-13
神の言葉は生きており、力を発揮し、どんな両刃の剣よりも鋭く、精神と霊、関節と骨髄とを切り離すほどに刺し通して、心の思いや考えを見分けることができ(ます。)更に、神の御前では隠れた被造物は一つもなく、すべてのものが神の目には裸であり、さらけ出されているのです。この神に対して、わたしたちは自分のことを申し述べねばなりません。